世界を変える組織、人物たち

 

・この本に登場するのは、社会の抱える問題に取り組み、小手先にとどまらない大掛かりな解決を目指す人々である。

 

・かれらはある共通点で結ばれている。みな、人々によりよい生活をもたらさそうとアイデアを温め、さまざまな都市、国、いや場合によっては世界中でそれを実現してきた。そう、彼らは世界を変える社会起業家なのである。

 

・「世界を変える勢力」として彼らを捉えるのだ。社会の重要な問題を解決に導くために新しいアイデアを抱き、不屈の精神でビジョンの実現を目指す人々、頑として弱音を吐かず、けっして諦めず、どこまでもどこまでもアイデアを広げていく人々である。

 

・アイデアではなく、「人」が世界を変える。

 

・私はこの本を書くために、さまざまな分野の変革について調べてみた。
その陰には必ず、ビジョン、誠実さ、まわりを説得する力、目を見張るほどの体力などを備えた人物による、がむしゃらまでの努力があった。

・社会起業家の支援組織「アショカ」の設立者ビル・ドレイトンはいう。「人々は、理屈ではなく実在の人物を通して社会起業についてイメージを膨らます。ですから、模範となるような人材を探さなくてはならない」

 

・アショカが重視するのは、ビジョン、情熱、決断力、倫理観などである。

 

・アショカは、1980年代末までにインド、インドネシア、ブラジルなどで、200人近い社会起業家をフェローに選び、支援している。

 

 

・世界を変える組織には、共通の特徴があるようだ。

 

1.苦境にある人々の声に耳を傾ける。

 

2.予想外の出来事からヒラメキを得る。

 

3.現実的な解決策を考える。

 

4.適材を見つけ出して大切にする。

 

・大きな成功を手にする起業家は、大きな目標を掲げ、何としてもそれを実現しようとする。

だからこそ着々と機会を探り、壁に気づき、途中結果を見極め、今後に向けて計画を練っていくのだ。

 

 

 

★成功する社会起業家の6つの資質。

 

 

1.間違っていると思ったらすぐに軌道修正する。

目標に近づくためには、目の前の課題、新たなチャンス、環境の変化などに対応して、
その時々で柔軟に方向を変えていく姿勢が大切である。

 

 

2.仲間と手柄を分かち合う。

手柄や名声を独り占めせず、仲間たちと分かち合う姿勢も、
社会起業家として成功する上で欠かせない。

 

 

3.枠から飛び出すことをいとわない。

 

 

4.分野の壁を越える。

既存の組織から独立すると、専門分野の壁を越えて多彩な人々の協力を得やすい、
という利点もある。

 

 

5.地味な努力を続ける。

多くの社会起業家は、何十年ものあいだ目立たず地味な努力を続けている。
この地道で目立たない、絶え間ない取り組みが、世界を変える原動力となる。

 

 

6.強い倫理観に支えられている。

モチベーションの陰にある倫理観を抜きにして、社会起業家を語ることはできない。

・問題の捉え方、問いの立て方、気質、能力などの面では、
一般の起業家と社会起業家に差はない。違うのはビジョンの性質である。
世界最大の靴メーカーを築きたいと野心を燃やすか、世界中の子どもに予防接種を受けさせたいと願うか、その違いである。そう、社会起業家は強い倫理観に支えられているのだ。

 

・社会起業家ファビオ・ロサはいう。
「暮らしやすい社会をつくるために、少しでも役に立ちたい。僕は自分の夢、思い、アイデアのままに生きている。だから今の活動をしている。ただそれだけさ」

このような意欲の源は何だろう。それは現状を変えずにはいられない、自分がやるしかない、とのやむにやまれぬ思いである。

 

・私はこの本の取材を始める前、社会起業家は、「世の中や他人のために尽くしたい」との思いに突き動かされているのだろう、と想像していた。
だが、そうではなかった。彼らは自分の熱い思いに従い、本能の赴くままに行動しているのである。そしてそのような行動を通して、得がたい褒美を手にしている。

 

・世界の中心はここにある。あなたの立っているこの場所が、世界の中心なのだ。

 

・この本のタイトルにある「世界を変える」といったときの「世界」とは、サハラ砂漠やアマゾンの熱帯雨林、難民キャンプや紛争地のことではない。世界の問題は、どこか遠い外国や、国家間の問題、安全保障や地球環境問題といったグローバル・イシューだけではない。同じように、個人個人の目の前に、それぞれの場所に大切なことは存在し、いま、あなたが立っている、この場所が、世界の中心なのだ、と。